2012年12月20日木曜日

へのへの 出産体験記 当日(3) 海

佐久間助産院到着。

ドライブ中に、なんとなく陣さんが和らいでいたせいか、
私が意外とケロっとした顔をしていたので、先生はちょっと驚いたようす。



予定日3週間前の内診で、子宮口が少しずつ柔らかくなってきている、と
先生に言われていたので、たぶん先生も私も、
この時点で、それなりに子宮口が開いてきてるのでは?と期待したものの、、、、、


見てみたら、たったの1.5cm程度、、、、、、、、、
(出産には開大10cmが必要)


がーーーん。。


これじゃまだ序の序の口。



こんなに強い陣さんだと思っていたのに、
まだスタートラインにも立てない状況だったなんて。。。



「これじゃ今ここにいても何もできないわ。
 どうする?
 一度家に帰ってもいいわよ。
 その辺散歩してもいいけど、まだだいぶ先になりそうねぇ」


がががーーーーーーーん。。



ヘタレな私はこの時点で、嘘でしょー、とまた泣きべそかきたくなりましたが、
ちょうどその日は、助産師さんたちの勉強会があって、
なんどか検診の時にお会いしていた若い助産師さんもいて
みんな口々に励ましてくれて、なんと嬉しかったこと・・・(涙)

「最初はみんなそうなんだよー。なかなか進まないんだよね。
 でもだいじょうぶ。
 みんなそうやって耐えて産むんだからねぇ。
 今はまだまだ体が楽だから、いまのうちに色々やり残したこととかやったほうがいいよー」


えー、これで体が楽なんですかー?!


と思いつつ、そうやって皆さんと立ち話していると、だんだん立っていられないくらい
強い陣さんになり、なんどか話中、立て膝をついてしまうようになる・・・・


そう、この時点でまたググーーっと引力にひかれるような
感触があり。


そんな私を見つつ先生は、

「あら、いいじゃない。いま潮がいいからね。
うまくいけば進むわよ。
でもまだまだよ。
どこか旦那さんと出かけてらっしゃい」


というので、産院から車で30分程度で行ける海に行くことに。





「あぁー海がみたい。潮風を飲みたい」と
その時、心から海を渇望していました。



移動中の車中でも、なんども体をのけ反らせるほどの強い陣さんに
耐えつつ、
ようやく九十九里浜に到着。



やはりいい潮になっているので、サーファーの車がたくさん。
熊谷ナンバーの車があったのを覚えている。


でも砂浜から少し離れた松林の脇にしか車が止められず、
砂浜までは歩くことに。


車から降りるやいなや車にへばりつくように、陣さんに耐え(笑)

ちょっと歩くともう立っていられなくて、「あぁぁー」と唸りつつ
すぐ四つん這いになってしまう。


もう身だしなみも気にしていられない感じだったし、
きっと周りのサーファーさんは
「?!なんじゃこの妊婦は?!こんなところにいていいのか?!?」
と思われたに違いない(笑)


海風も想像以上に寒くて、羽織ったショールも風になびくし、、、、


でもどうしても海が見たくて、将来君に支えられながら、どうにか一歩ずつ必死に
進む。


ようやく砂浜について、海が見えた。




きもちいいなぁ




 朦朧としたなかにも体が感じる、きもちがいい感覚。



あぁ海だァ



と開放される感覚。




この感覚が、どうしても味わいたかった。




妊娠中いちどだけ、海を見に行った。

そのとき、お腹の中の羊水と、海とか溶け合うような、一体化するような、
そんな錯覚とともに、
お腹の赤ちゃんが、海を母と感じているような、そんな感じがした。


臨月に、とにかく砂浜をいっぱい歩いたという超スリムでかわいい
Kカフェの奥さんはふだん大した運動もしてないのに、
初産で、超スピード出産だったという。



海のパワーをいただいたぜぃ!


と将来君に支えられながら海を見つつ、心の中で必死にガッツポーズをして、

また「うーうー」唸りながら、なんども四つん這いになってはまた歩き、
砂まみれになりながらどうにか車に戻る。



その時すでにお昼前だったので、多古町の道の駅で昼飯を買うというので
また産院のほうに戻ることに。



途中のコンビニで、私は駆け込むようにトイレで上からと下からぜーんぶ出してしまう。

もう空っぽになった感。


まさに、‘ゼロになる体’・・・



なるほど、薬を使わなくても浣腸なんかしなくても、
ちゃんと体がぜんぶ出してくれるんだ、と妙に感心したりして。




トイレでも四つん這いになっちゃうし、しばらく出てこないし、
これまた凄い形相に店員さんも驚いたでしょう、、、




腹減ったとバクバクご飯を食べるマサキ君を横目にもちろん食欲などなく。

車の窓の上についてる手すりにしがみついて、体を仰け反らせ、
「あぁぁぁーーー」とひたすら
車中で 陣さんに耐えていると、仲違いしていた姉から謝りのメール・・・



こんな時に返信できないよーーーと思いつつ、やっぱりどこか体がゆるんだ。
嬉しかった。。ありがとう。



しかしマサキ君はそんな私を見ても、みんなのうたの「6歳のバラード」 の替え歌
「おとこのこですぅ~♪ 
 ディッシャン(このときママディしゃんの略語でこう呼んでた・笑)ですぅ~♪」

などと呑気にまた歌なんかうたったりして、飄々としてて(笑)


隙を見て「太鼓でも叩きたいなぁ」オーラ丸出しで(笑)


でもそんなのが逆にすごく救われて。



そうやって、声を出しつつ陣さんを逃していると、
「あれ?なんかうまく陣さんウェーブに乗れるようになったかも?」と

ふと楽になった感触があった。



さて、昼飯も食った。

どうする?とマサキ君。(「オレは太鼓叩きたいけど」と心の声・笑)



「太鼓なんか叩いてる場合じゃねぇー!」と内心思いつつ、

んんーーこれでまた戻っても「まだまだ」って言われちゃうんだろうけど、、、

と思ったものの、このまま車の中でひたすら耐えるのも体勢も辛い、と
やっぱり一度、産院に戻ることに。


このとき12:45くらいかな。



そしてまた佐久間助産院に戻ったのでした。


つづく


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